2025年に入り、日本および韓国企業の業務基準や働き方を正しく理解するITパートナーを見つけることは、ますます難しくなっています。
開発コストの上昇、採用期間の長期化、優秀なエンジニア不足といった要因により、多くの企業がIT組織の拡大戦略そのものを見直す必要に迫られています。
一方で、セキュリティ、データ保護、システムの安定性、長期的な保守運用に対する要求水準は年々厳しくなっています。
その結果、ITアウトソーシングは単なるコスト削減の手段ではなく、経営戦略上の重要な意思決定となっています。
言語やコミュニケーションの壁、業務文化の違い、品質管理への不安から、オフショア開発に慎重な姿勢を取る日本・韓国企業も少なくありません。
そのため現在は、「指示通りに開発するベンダー」ではなく、信頼性・透明性が高く、日本・韓国の基準に合った開発マインドを持つパートナーが求められています。
本記事では、日本・韓国企業との実務経験をもとに、
2026年に向けて注目すべきベトナムのIT企業トップ10社をご紹介します。
単なる開発リソースではなく、長期的な価値を生み出すパートナーを見つけるための参考になれば幸いです。
なぜベトナムのIT企業なのか

数字が示す確かな成長
アウトソーシング先を選定する際、市場データは重要な判断材料となります。
ベトナムのICT市場は2025年に約91.2億米ドル規模に達し、年平均**約10%**の成長が見込まれています。
特にITアウトソーシング分野では、
2025年の8.3億米ドルから2026年には12.8億米ドルへと大きく成長する予測です。
これは単なる市場拡大ではなく、ベトナムが**「低コスト拠点」から「戦略的ITパートナー」へと認識を変えつつある**ことを示しています。
日本・韓国企業の課題を解決するベトナム
課題1:安定した高品質エンジニアの確保
日本・韓国企業の課題は、単なる人材不足ではありません。
長期にわたり品質を維持できる開発チームの構築が最大の課題です。
ベトナムは、正規大学教育を基盤とした豊富なIT人材を有しており、
システム設計、ソフトウェア開発、問題解決能力に優れたエンジニアが継続的に育成されています。
これにより、短期プロジェクトではなく長期的な開発体制の構築が可能です。
課題2:コストと品質の最適なバランス
日本・韓国企業はコストを重視しつつも、品質や安定性を犠牲にすることはほとんどありません。
ベトナムは、日本・韓国や他の主要アウトソーシング国と比べて競争力のあるコスト構造を持ちながら、
高い技術力と品質基準を同時に実現しています。
その結果、企業は単なるコスト削減ではなく、
システム高度化やスケーラビリティ向上に投資することが可能になります。
見落とされがちなタイムゾーンの優位性
ベトナムはアジア太平洋地域の企業と同一営業日内での協業が可能です。
また、欧米企業にとっては時差を活用した「Follow-the-Sun」開発モデルにより、
ほぼ24時間稼働の開発体制を実現できます。
2026年に注目すべきベトナムIT企業トップ10
多数のIT企業を分析し、顧客評価、技術力、グローバル案件の実績を総合的に判断した結果、
2026年に注目すべきベトナムIT企業は以下の10社です。
1. GITS – Global IT Solutions

GITSは、ベトナムで急成長を遂げているIT企業で、
実際の業務運用に即したAI活用型のカスタムソフトウェア開発を強みとしています。
WMS、AI、ソフトウェア開発、ITコンサルティング分野において高い専門性を持ち、
製造業、リテール、IoT、物流といった業界の業務プロセスを深く理解した上で、
実効性の高いソリューションを提供しています。
またGITSは、大規模エンタープライズシステムの開発実績も豊富で、
基幹システム構築からシステム統合、性能最適化、長期的な保守・運用まで一貫して対応可能です。
単なる開発ベンダーにとどまらず、中長期のDX戦略を支える信頼できるテクノロジーパートナーとして、多くの企業から高い評価を得ています。
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FPT Software
ベトナム最大のIT企業。クラウド、AI、IoT分野で大規模DX案件を多数実施。 -
TECHVIFY
AIおよび製造業向けソリューションに特化した急成長企業。 -
VTI Group
日本とベトナムに拠点を持ち、クラウド・AI領域に強み。 -
Savvycom
15年以上の実績を持つエンタープライズ向け開発会社。 -
Saigon Technology
ISO認証を取得し、セキュリティ・コンプライアンス重視の開発に対応。 -
Kaopiz
日本市場特化型のアウトソーシング企業。 -
NashTech Vietnam
グローバルネットワークを持つエンタープライズIT企業。 -
CMC Global
データセンターおよびITインフラに強みを持つ大手企業。 -
Designveloper
スタートアップやスケールアップ向けの柔軟な開発が強み。
市場展望と2026年のチャンス
ベトナムのITアウトソーシング市場は2024年から2028年にかけて約2倍に成長すると予測されています。
ICT市場全体も2030年には146億米ドル超に達する見込みです。
2026年を形づくるトレンド
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AI活用の加速
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デジタル経済の拡大
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年間5万人以上のIT人材供給
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グローバル市場での評価向上
アウトソーシングの目的は、コスト削減から価値創出へと確実に移行しています。
ITアウトソーシングパートナー選定の重要ポイント
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技術力と実績
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コミュニケーション力と文化適合性
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セキュリティ・コンプライアンス体制
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業界ドメインの理解
2026年を形づくる主要トレンド
AIの急速な加速
ベトナムのAI市場は、2025年に約7.5億米ドル規模に達し、年平均28%を超える高成長が見込まれています。
NVIDIAをはじめとする大手企業のAI研究拠点投資は、ベトナムがグローバルな技術戦略拠点として注目されていることを示しています。
デジタル経済の本格的な拡大
デジタル経済の市場規模は約430億米ドルに達し、年率20%前後の成長を維持すると予測されています。
これは将来の構想ではなく、すでに進行中の変化であり、先行する企業に大きな成長機会をもたらしています。
IT人材プールの拡大
ベトナムでは毎年5万人以上のIT人材が新たに市場に加わり、AI・データ・機械学習分野を中心に人材の質と量が同時に拡大しています。
長期的な開発体制を構築する上で、安定した人材供給が確保されています。
グローバル市場での存在感向上
ベトナムはGlobal Services Location Indexで世界6位にランクインし、
コスト競争力、人材の質、ビジネス環境、デジタル対応力の面で国際的な評価を獲得しています。
2026年に何が変わるのか

コスト削減から価値創出へ
アウトソーシングは、もはや単なるコスト削減手段ではありません。
品質、イノベーション、そして長期的なパートナーシップが重視される時代へと移行しています。
ニアショア志向の高まり
最安値よりも、地理的な近さ、データガバナンス、円滑なコミュニケーションが重視されるようになっています。
ベトナムはアジア太平洋地域における理想的なニアショア拠点として注目されています。
ベンダーから戦略的パートナーへ
ベトナムのIT企業は、指示通りに開発する立場から脱却し、
成果に責任を持ち、ビジネス価値の創出を共に担う戦略的パートナーへと進化しています。
最適なITアウトソーシングパートナーを選ぶための重要な基準
ITアウトソーシングパートナーの選定は、
単に開発会社を探すことではなく、ビジネスを理解し、長期的な成果を共に創出できる戦略的パートナーを見極めるプロセスです。
以下は、適切な判断を行うための主なポイントです。
1. 技術力と実績の裏付け
同業界での開発経験、定量的な成果が確認できる導入事例、
ISO 9001、ISO/IEC 27001、CMMIなどの品質・セキュリティ関連認証の有無を確認することが重要です。
類似プロジェクトの実績や明確なリファレンスを提示できない場合は、慎重な判断が必要です。
2. コミュニケーション力と文化的適合性
日本・韓国企業にとっては、コスト以上に安定したコミュニケーションと業務文化の相性が重要な要素となります。
JP/KR企業との協業経験、時差を考慮した対応体制、論理的で構造化されたコミュニケーションが判断基準となります。
初期段階でのオンラインミーティングやパイロットプロジェクトは、長期的な協業適性を見極める上で有効です。
3. セキュリティおよびコンプライアンス体制
サイバーセキュリティは必須条件です。
ISO/IEC 27001、データ暗号化、安全な開発プロセス、NDA・知的財産保護、定期的なセキュリティ監査、インシデント対応体制が整っている必要があります。
金融・医療などの規制産業では、HIPAAやPCI DSSといった業界固有の認証も併せて確認すべきです。
4. 業界ドメインへの深い理解
業界理解のあるパートナーは、単に要件通りに開発するだけでなく、
より良いアプローチや改善案を提案することが可能です。
FinTechでは決済・規制・セキュリティ、
ヘルスケアでは医療データとシステム連携、
Eコマースでは決済・在庫管理・スケーラビリティ、
製造業ではIoT、サプライチェーン、予知保全の知見が求められます。
こうした業界専門性こそが、ベンダーを戦略的アドバイザーへと昇華させます。
結論:2026年のベトナム
ITアウトソーシングを取り巻く環境は、急速に変化しています。
意思決定の軸は、もはや「低コスト」ではなく、長期的に伴走し、実質的な価値を創出できるかどうかへと移っています。
ベトナムのITエコシステムは、すでに「コスト重視の選択肢」という位置づけを超えました。
質の高いIT人材、安定したコミュニケーション力、政府による強力な支援、
そして急成長を続けるデジタル経済を背景に、ベトナムはグローバル企業のDXを支える戦略的パートナーとして存在感を高めています。
本記事で紹介した企業はいずれも、
実績に裏付けられた経験、国際的な顧客基盤、先進的な技術力、
そしてあらゆる規模のプロジェクトに対応できるインフラを備えています。
今、問うべきなのは
「ベトナムにアウトソーシングすべきか」ではなく、
「自社の戦略に最も適したベトナムのパートナーはどこか」です。



